去勢・避妊について

去勢・避妊手術は全身麻酔を必要とする手術です。

メリットもありますが、その反面デメリットもあります。
そのことをしっかり理解していただいた上で手術を検討してあげてください。

人間も同じですが手術を行うことは、少なからず体に負担がかかります。
その負担を考えると、去勢・避妊手術を希望されない飼い主様もいらっしゃるかも知れません。
しかし、去勢・避妊手術を行うことによって、生殖器に関連する病気の予防、問題行動の抑制や生活の質が向上するなどのメリットがございます。

メリット~去勢・避妊で防げる病気~

オスの去勢

オスの去勢

【前立腺肥大症】

犬の場合はオス犬が高齢で発症する病気で、血便や排便障害などの症状を引き起こします。
この病気はホルモンが発症に関与していると言われおり、去勢手術を行うことでこの病気の発症を予防することができます。

【会陰ヘルニア】

直腸を支える筋肉群が萎縮することにより、腸管などの器官が会陰部(肛門のまわり)の皮下に脱出する病気です。

【肛門周囲腺腫】

高齢のオス犬でよくみられる腫瘍で、肛門周囲の皮膚に発生することが多いです。
良性の場合が多く、良性のものであれば、去勢によってその発育を抑えることができ、再発の防止にもなると言われております。

メスの避妊

メスの避妊

【子宮蓄膿症】

これは未避妊の高齢のメス犬で発症が見られます。
子宮の細菌感染による膿が子宮内にたまり、治療が遅れるとその細菌が生み出す毒素によって死に至る病気です。
避妊手術にて子宮摘出を行えば子宮が細菌感染に侵されることはなくなります。

【乳腺腫瘍】

乳腺腫瘍は乳腺にできる腫瘍です。
犬の乳腺腫瘍の平均発症年齢は10~11歳です。
発症率は全腫瘍の30%でその半数が悪性腫瘍といわれております。

電気メス 血管シーリング

ペットへの負担の少ない去勢・避妊のための、血管シーリングシステムです。
手術時において、必ず出血が起こらないように血管の処理が必要になります。

従来であれば、手術用の糸を使用し血管を一つ一つ結紮する必要がありました。
しかし手術の際に使用する結紮糸は体内に残るため、体が異物と認識しまう場合があります。その糸の周囲に炎症を起こし、腫瘤(しこり)を形成する異物反応性肉芽腫という病気があります。

そこで当院では、上記のような病気を引き起こさないために、可能な限り縫合糸を使わずに血管や組織の処理(シーリング)が可能なシーリングシステムを導入しております。これにより、安全に手術を行うことが可能となりました。

【メリット】

手術時間の短縮により、動物への麻酔の負担を軽減できる。

安全かつ確実な止血ができる。

縫合糸をなるべく体内に残さない手術ができる。

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